【就職活動生必見】広告代理店に入るには
最近OB訪問の問い合わせを多くいただいていて、昼食をとりながらエントリーシートの相談や、いわゆる広告業界についての質問に応えています。
私は理系の大学院から広告業界に飛び込んだので、当時特に周りに広告業界志望の友達もおらず、1人で必死に情報収集していたことを思い出します。
よく広告代理店に入るにはどうすれば良いですか?と聞かれるのですが、とにかく抜かり無く就職活動をやること。に尽きます。
どんなことに抜かり無くやればいいのか?今回はそれがテーマです。
①SPIとWEBテストは満点を取る気で挑め
とにかく参考書を買って勉強しましょう。内容的にはセンター試験よりずっと簡単ですので、時間さえかければできます。
業界に限らず必要になりますので、やりこんで損はありません。
また意外とここを頑張らない人が多いようですが、最低限必要な準備なのでやりましょう。
②エントリーシートはラブレター
③OB訪問は志望動機の武器になる
意外と業界への志望動機を書けてもその会社への志望動機って作れないものです。そこで、OB訪問は有効活用して欲しいです。
広告業界について疑問に思っている事を聞いたりエントリーシートの相談をしたりも良いですが、その企業への志望動機としてその会社の社員が魅力的だったという理由を作る事が出来ます。
いかがでしたか?今回は事前準備段階を中心に書きました。
その他にも就職活動の相談も受付ていますので、お気軽にお声がけください。
twitter:@madman_0219
※都内限定ですが2時間¥2,000でコンサル業もしています。
【広告業界の業務】リーダーは誰か!?
どんなプロジェクトにも意思決定者=リーダーがいないと、まとまるものもまとまらないですよね。
では通常の広告会社では誰がリーダーになるべきなのでしょうか?
営業?プロモーション?クリエイティブディレクター?ストラテジックプランナー?これはプロジェクトにも依るのかもしれませんが、私は営業だと考えています。
なぜならば、クライアントに最も近いからです。
例えば、広告会社ではオリエン(=オリエンテーションの略:所謂得意先からのオーダーです。)を貰ってから、社内関係各所と議論した末にプレゼン(プレゼンテーションの略。提案という意味です。)します。当然、オリエンに沿った内容を提示するのが一般ですが、所謂オリエン返しという、オリエンとは違う内容を提示することがままあります。これはクライアントが求めていないことを提案することになりますので、大変リスクを伴います。ですが仮にそれがクライアントにとって良いと判断することができれば、当然提案すべきなのです。
では 、このオリエン返しをすべきかすべきでないかは誰が判断すべきでしょうか?それはやはり日々クライアントと対面している営業ですね。どんなにいいアイデアだとしても実施にならなければ何の意味もありません。その提案がお買い上げになるかならないか。そのビジネス感覚を持ち、チームの方向性を定めなくてはなりません。
実際営業の質によってアウトプットは大きく異なってくるということがお分かりいただけたでしょうか?広告会社の営業はビジネスプロデューサーであるべきで、実は誰よりも本来は優秀なリーダーでないとならないのです。
【仕事の流儀】Just Do It.精神
突然ですが、私は NIKE が企業スローガンとして標榜している「Just Do It.」という言葉が大好きで、自身の人生テーマに据えています。
(「ただ、やるだけさ」/「やるしかない」/「行動に移せばいいだけさ」/「躊躇しないで、早くやれよ」/「ぶつぶつ言ってないで、早くやれよ」)のように使われるようです。
このノリを分かってくれる人と仕事をすると、とても気持ちが良いんです。まず「できません」と言わない。やれるだけのことをやってみる。その上で【できる/できない】 を初めて回答する。仮にできなかったとしても、何故できないかが説明できるので納得感がありますよね。
大抵の気乗りがしないことって、結局やらないといけないことだったりするので、ごちゃごちゃとやらない理由とかやりたくない理由を並べてないで、すぐにやってみて回答した方が経験上、うまくいきます。どうせやらないといけないなら、腹を括って、すぐさま楽しめるよう行動する。
そんな時に背中を押してくれる「Just Do It(まあ、やるか).」という言葉。何か頑張れない案件があった時、「Just Do It.」を思い出してください。
ちょっと元気が出ますよ。
【広告業界の業務】クライアントは自分の夢を叶えるスポンサー?
仕事は楽しい時ばかりではない—
そんなことを多くの大人達から聞かされ、そして自分も肌で感じている一方で、いつも楽しそうに、自分のやりたい仕事ばかりをしているスーパーマンな人が存在する。
そういう人に限って、普段全然会社におらず、大体夜は暇で、「今日夜暇?」と飲みのお誘いをしてくる。交友関係も広く、良いお店を沢山知っている。そして仕事も大型の案件で派手なことをこなしていく。
彼らはいつ働いているのか?そして、何よりもどうしていつも自分の好きなことばかりの仕事ができているのか?という疑問が当然湧く。先日その疑問への回答に近い言葉を聞くことができた。
”クライアントは自分の夢を叶えるスポンサー”
だと思って仕事をしているそうだ。
クライアントが聞いたら怒りそうなセリフだが、クライアントにとってそれが喜ばれる結果を生むのであれば、最高のwin-winの関係を築くことができる。
このセリフを言える人は、圧倒的な努力をしている人であることは間違いがない。自分の夢をきちんと見定めた上で、得意先課題解決に当てはめ、ビジネスに繋げているからだ。圧倒的な価値提供をクライアントから認められているからこそ、毎回楽しい仕事を獲得する事ができるのだ。
逆に自分の夢が定まらず、得意先課題にばかり捉われていると、結局自分自身の存在価値を作る事ができずに、日々業務に追われて行くことになる。
大事な事は自分のやりたい事を理解して、それだけで仕事をするにはどうすれば良いのか?を考え、圧倒的な努力によってクライアントに価値を認めてもらう事にある、と私は思う。
「この分野はあなたにお任せしたい」そういわれたら、あなたの勝ちだ。
【広告業界の業務】小さな仕事ができない人には大きな仕事はできない
広告業界に皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
華やか?有名人に会える?ほぼ毎日飲み会?
恐らくすべて正解です。
しかし勘違いしてはならないのは、その裏にはたくさんの地道な作業と血の滲むような努力があることです。
新卒で入社し、いきなりクライアントから絶大な信頼を得る事ができる訳ではありません。一生懸命さや日々の対応の積み重ねによって、信頼を徐々に少しづつ積み上げていくのです。
私も沢山の仕事を積み重ねてきました。
例えばキャンペーンのハガキ応募説明を1字1字チェックする文字校正と言われるもの。(何故か1回目のチェック時では合っていたところが、別のところを修正した2回目に見たら間違っていたりという事が往々にして起こるのです。ヒューマンエラーは怖いですね。)
小さな仕事かもしれませんが、とても大切な仕事ですね。応募条件が分からなかったり、間違っていたりすれば、キャンペーン応募されないですから。 それで何万部ハガキ刷り直しという怖いリスクも孕んでいます。
なので文字校正といえども、侮る事なかれ。適当にチェックする人に、大きな仕事は任せられないですよね。
ビジネスが大きくなればなるほど、より丁寧さや細かさが要求されます。
有名クリエイターである「箭内道彦さん」は
大きい仕事を小さい仕事のようにやり、小さい仕事を大きい仕事のようにやる。これ大事。大きくても構えない。小さくても手を抜かない。(箭内道彦)
のように仰っています。
千里の道も一歩から。小さな仕事の積み上げこそが大きな仕事に繋がると私は思います。
もしあなたが今の仕事が小さいと不満を感じているならば、自分がクライアントの立場であったら、あなた自身に仕事を任せることができるか?ということを考えると良いかもしれません。
【広告業界の業務】広告業界のチームワーク
広告代理店は大きく分けると5つのセクションに分かれます。
営業・クリエイティブ・戦略・プロモーション・メディアの5つです。
勿論会社に依っては、デジタル専門の部署があったり、ダイレクトビジネス専門の部署があったりと各広告代理店の色が出たりします。
ですが、基本的には上記5つが基本になるかと思います。
何人かの広告代理店の友人に聞くと、広告代理店に依って、この5セクション間の力関係は異なるようです。有名クリエイターがいる場合はクリエイティブが主導権を取りますし、とはいえお金を出すスポンサーと距離が近い営業が主導権を取る場合もあります。
そういう組織を一気にまとめあげることがとても大変だということは想像に難くないですね。
1人では大きな仕事はできないので、各部署が一丸になって取り組まないと良い仕事はできません。時には喧嘩もありますし、そんな時は打ち合わせも「とんでもない空気」になります。
誰しも喧嘩はしたくありません。でもそれを恐れて迎合しても良い物はできません。
チームをまとめていくには何が必要なのでしょうか?喧嘩を避けて空気を読む事でしょうか?
そのヒントとなる言葉を紹介します。
最近よく話題になるアニメ「攻殻機動隊」の荒巻部長の言葉です。
我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。
有るとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。
(攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 第5話より)
この言葉は本質的な部分を押さえていると思います。
誰もがプロフェッショナルの自覚を持って、スタンドプレーをすること。その融合が想像もしていない大仕事を生む。そんな気がしています。
【広告業界の業務】広告営業に必要なのは「思いやり力」!?
広告業界に限ったことではないと思いますが、できる営業マンは皆、「思いやり力」が非常に高いと感じます。
かくいう私も、この能力がなかなか身に付かず、今でも苦労を重ねています。
広告業は売り物の値段が決まっている訳ではありません。明確なモノを売る訳ではなく、ある時は広告グラフィック表現であり、ある時はブランド広告の戦略プランニング費だったりする訳です。また、タレントさんを使って広告をしたりしますが、時流によってタレントさんの価値は変動します。(例えば、「ゲッツ!」で有名になったダンディ坂野さんの価値は、3年前と今では全然違いますよね笑。)要は、それが妥当な金額であるかどうか。が非常に曖昧な業界なんですね。
だからこそ面白い訳ですが、クライアントさんを説得するには大変なセンスを必要とします。同じプランを提案していても、担当営業によって天と地ほどの差が出てきます。
簡単な一例を紹介しましょう。
ある案件で、見積もり交渉時に「高い!」とクライアントが仰ったとします。
営業Aさんは社に持ち帰って、担当スタッフ(クリエイティブ・戦略・プロモーション等、案件に携わった人々です。)に「金額を下げるにはどうしたら良いか」という相談をしますが、
営業Bさんは現状なぜクライアントが「高い」と思っているかを分析し、まず「それ相応の価値がある」と認めてもらうにはどうしたら良いのか。から考えます。
両者の歴然たる違いがわかりますでしょうか?
一番の違いは、「クライアント視点」に一度立っているか、いないかです。
クライアントの「高い!」には理由があるはずです。過去実績と比較してそう思っているのか、社の予算割り振りの事情が変わったのかもしれませんし、あるいはクライアント内部での上申に際して、説得する自信がないのかもしれません。先方に知見が無く、肌感覚で「高い!」と感じているのかもしれません。
そこを考えてあげないと、真のビジネスパートナーにはなれません。ただ値引き交渉をしてくる、無理難題を言う困った人だ!で終わらせるべきではないのです。(中には出世しか頭に無く、安く仕切ったことで社内評価を求める人もいるみたいですが、どの道そんなやり取りをしているとビジネス関係が崩壊します。)ビジネスをする上では、真っ当なやり取りをきちんと手順を踏んで取り付けてくるべきです。
また、社内スタッフからの反応も天と地ほども違うでしょう。
恐らく営業Aさんはスタッフ全員から嫌な顔をされます。何故価格を下げるべきなのかもいまいちよく分からないため、スタッフも困ってしまいます。(スタッフも向き合っている関係会社に価格相談をしないとならないのです。)
反対に営業Bさんは、クライアント立場を考え、一度クライアントにヒアリングし、事情を理解した上で、スタッフに相談します。なので相談事項はより明確になっているはずです。
例えば、「先方社内事情で、広告予算が当初よりも減ってしまいそうで、プラン全体の予算減額を相談されている。優先順位として、ブランド戦略上、広告グラフィックの質は担保したいので、広告露出とプロモーション部分の予算を削りたい。また、実はクライアント担当者がプロモーション部分の経験が浅く、どのくらいの金額が妥当なのか分かっていないようなので、他案件での実例を出して金額の妥当性を説明する必要があるので協力して欲しい」といった具合です。
営業Aさんはその後、複数回クライアントと交渉を重ねて挙げ句不満が溜まっていくという現象になりかねません。クライアントが何で困っているかの本質が分からないので、当たり前ですね。デートでステーキが食べたいな!と思っている女性に、中華・和食・ラーメンと手当たり次第提案しても逆効果ですね。さらに言うと、もしかすると女性はステーキが食べたかったのではなく、記念日だからいい雰囲気のレストランで一緒に食事をしたかっただけのかもしれません。ニーズをきちんと把握した上で何を提案するべきか決めるべきなのです。
このように、日々の信頼関係はこのような相手の立場になってみて考える、「思いやり」の積み重ねによって築かれていくように思います。ほんの少しの差かもしれませんが、結果を見れば歴然とした差になっています。この「思いやり力」が身に付けば、どこに行っても通用すると思いますし、大きな対価を生む事ができるでしょう。広告営業には自分たちが出すソリューションが、きちんと相手に満足してもらえるのかという客観的視点が必要なのです。